PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

南條竹則「ドリトル先生の英国」

とっても懐かしさに溢れる本だ。
小さい頃、この先生に憧れたのは間違っていなかったと再認識したほど、解説されるドリトル先生が素晴らしく、うんうん頷いてしまった。そして、井伏鱒二の翻訳は名訳だと思う。「ドリトル先生」が、「ドクター・ドゥーリトル=Dollile」だったり、「オシツオサレツ」が「プシュミープルユー=Pushmipullyu」のままだったら、小学生の読解力ではなんだか判らないカタカナに翻弄されて物語に入り込む前に興味をなくしていたかも。そんな訳者のことから、ドリドル先生の食卓や階級体制や物語の様々な面に言及していて、新たな角度から知るドリトル先生は面白かった。


ドリトル先生の物語の中では「ドリトル先生の航海記」がいちばん好きだった。先生とトミー・スタンビングみたいに世界地図をパラパラ開いて指差して止めたページに旅に行けたら愉快だろうなとか、クモサル島のロング・アロー救出場面とか(英語でも犬語でもなくワシ語でコミュニケーション!!)、何度も繰り返し読んだ記憶がある。(その頃自分で本など何冊も持っていなかったせいもあるけど、その中でも特別よく読んだ気がする)
と書いていたら、また読みたくなるな。

ドリトル先生の英国 (文春新書)

ドリトル先生の英国 (文春新書)