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-オシツオサレツ日々は過ぎる

レイ・ブラッドベリ「火星年代記」

詩的な文章にわけもわからず、ウットリする。
火星人って、昔フロムエーのCMでカーカーキンキンカーキンキンしてた緑か黄色(どちらかが)のタコしか思いつかないのは、感受性に乏しいからだろうか。そんな自分の発想に深いため息つきながら、ブラッドベリってすごいなぁとしみじみ感服。
本国での初版は1946年。日本の終戦の翌年。かなり古いが、字が読めれば小説に古さは関係なく、うーうーと言っていいぐらい唸る。地球を出て火星に住み出した地球人の事・火星人の事。「空のあなたの道へ」と「第二のアッシャー家」とか沈思黙考。こんな短い短編連作に、2005年も入った未来が描かれて、旋律のよい音楽を聞いたような余韻だけど、辛口に警告と予想しただろうブラッドベリの未来である滅亡していく地球人は、今現在も変わらないなと思う。人はどうしたって奢る生き物だから。

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)