PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

恩田陸「チョコレートコスモス」

2004年ぐらいから人に誘われるがまま、演劇を見出して早3年。
劇場に入るのにも異空間に行くようで、ドキドキしていたのもつかの間。
勝手知ったるように、馴染みの劇場に出入りするようになったりして、最初の恥じらいはなくなったけど、「リアル」という意味で演劇は心を掴んで離さない魅力を恩田さんが文章にしてくれたような小説。
昨日の夕方図書館で見つけて、エヘへと自宅で開き出して、そのまま深夜に及ぶまで読みふけって久々にハードカバーを一日で読了して気分がいい。


ガラスの仮面」の北島マヤを活字で表したらこんなんだろうなと痛切に思った佐々木飛鳥。
対抗する亜弓さん役に当てはめられる登場人物もいて、なんやかんやあったあと同じ舞台に立つというのは、まさしく「ガラスの仮面」で、小学校の頃にあれにハマって首を長く続巻を心待ちにしている私などのようなものには、手に汗握るというか、あの大物女優が模範と呼ぶべき演技をしてしまった後、じゃぁどう出てくるか?考えて読んでいくのが、非常に面白いし、その解決法を見いだし文章化した恩田さんもすごいなぁと。
(きっとあの劇場のことだろうなとか、梅の木を演じてみろとか、この若手演出家ってあの人っぽいとか、知っている人が読むと、その辺もクスリとする。紫のバラの人はいないけどね。)


最近、なにげなく演劇を観すぎていたんだなぁと、ちょっと反省したり。
劇をする裏側では日々こういうことが起こっているんだろうなと、初期の頃は結構想像したんだけど、あたりまえになりすぎて、忘れていたものを思い出す。

チョコレートコスモス