PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

アメリカン・ヒストリーX

これはエドワード・ファーロングが出ていると聞いて、少なくとも1年ぐらい前から日本で公開するのをずっと待っていた作品だった。ようやく日本上陸したのは、2000年2月。もちろん見に行った。


この映画を「すごく良かった」なんて言ってしまう自分は、ひどく偽善的とも思えるが、そう表現する以外に適切な言葉がない。少なくとも、この映画をみることができて自分は良かったとは思う。普段は娯楽作品としての映画しかみないせいか、映画館でこんなに社会に対する、どうすることもできないもどかしさを覚えたのはいつ以来だろう。


白人至上主義のネオナチで暴走していく青年を演じるノートンはもとより、それを崇拝する弟役のファーロング、そんな兄弟を止めることのできない母親、そして暴走し、崩壊した家族。でも憎しみや怒りでは、なにもできない。

おなじ人間としてそんなことは許されないとわかっていても、逆にひとつ間違えばこんな風に人は暴走することが出来るんだということを、戒められる。「実状はこれ以上だ」とか「配役が出来過ぎている」とかいう指摘もあるみたいだけど、あくまでも映画であり、それでいて強烈な主張は充分すぎるほどで、私はかなしくって、くやしくって、映画館で涙涙していた。
 エディーくんは勿論のこと、「ファイト・クラブ」とは全然容貌の違うエドワード・ノートンの演技は素晴らしいっす。
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