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-オシツオサレツ日々は過ぎる

演劇弁当猫ニャー「コスモ☆プロジェクト」

ただの「猫ニャー」改め「演劇弁当猫ニャー」という集団になってから、第2回目の公演。一度目は見逃しているから、劇弁猫ニャー初の公演を東京劇術劇場小ホール2へ観に行く。

突拍子もないことに途方もなく呆れて、しかも笑える無意味さが好きである。普段の自分では天と地がひっくり返っても考えないことを、この劇弁は醸し出してくる。そのツボの嵌り具合が無意味だけど、アホらしいけど、偶には必要なことにさえ思えてくるから不思議だ。

ナゼだか設定は、隕石との衝突をあと7日に控えた地球。その隕石をどうにかして地球を救おうとする作戦が、コスモ☆プロジェクトと名付けられた。しかし、何兆もの資金を注ぎ込んで2回の作戦を遂行するが、どれも犠牲者をだし失敗に終わる。3次プロジェクトを早くも立てないと、あと7日で地球は滅んでしまう。なのに残り予算は気付けば8万3千円。(しかも、言っている側から2万6千円に減る。)コジキ総司令官は、プロジェクトの総司令官備品として大きな翼とホイッスルを持っているし、副司令官は首持ち族(ここではなんだよそれは、というツッコミを入れましょう)のホソカワ。そして、総司令官の実は娘だったニュースレポーターのキョウコ。プロジェクトの幹部の面々。首持ち族と二代目組長と弁当配達屋とハスラーとetc×etc。

散りばめられた小細工は、アナゴくん。中古車で隕石を跳ね飛ばせるか?地球を救えるはずの小松菜とほうれん草。尻は被れるか?かぶれるか?マイケル・ベイとナワハレコ。全篇に隠す気配もなく漂う下ネタムードにどないしょうかと思いつつ、乾いた笑いでやり込め、どう足を組んでもお尻と腰が痛いイスに気分を半ば反らされつつ、効いてきた冷房に慌てて上着を被ったら襲ってきた眠気と闘い、そうして2時間半ぐらい。

初めて観たとき、脚本家のブルースカイはワケが判らない無意味さを組み合わせるのが上手くてすごいなと感服したものだけど、なんだか今回はキレイに纏まりすぎてるような気がする。チープなバカらしさに大笑いできた猫ニャーはちょっとどっかに行ってしまったのではないの?(それとも、そういう路線からは脱却してしまった?)場面場面の役者の力量はホントにいいし、部分部分笑えるのだけど、イマイチすべてが歯切れ悪く無意味に長く、逆に言えばスカッとするスピードが欲しかった。

しかし、レポーター役の立本さん。まさか殆どそのカッコで出演とは思っても見ませんでした。貴女には惜しみない拍手送ります。