PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」

返却期限を過ぎた図書館の本をやっと読む。


ほっこりと、なんでもないことのようだけど、温かくなる。2時間もあれば捲りきってしまう、しめて158頁の物語。背表紙を含めた表紙が真っ黒で、白地に浮き上がる題名にぽつんと星が1つ。逆に裏面は真っ白で、作中に出ているオセロと言う名の猫のようだ。手に取ったら、それだけで持ち帰りたくなって今家に居る。


月舟町という小さな町にある名無しの食堂。でも十字路にあって、東西南北からくる風がつむじ風となって、その前でよく起こるのでつむじ風食堂と皆からは目を細めて言われている。そこに来るお客の一人が雨降りの先生。とりとめのない思い出と思考回路が繋がって、二重空間移動装置な万歩計でコペンハーゲンからイルクーツク、唐辛子千夜一夜物語エスプレッソ、手品師、星とオレンジと地球、そして帽子。
つむじ風食堂の夜