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-オシツオサレツ日々は過ぎる

ドロシー・L・セイヤーズ「毒を食らわば」Dorothy L. Sayers "Strong Poison"

そもそもセイヤーズのウィムジィに会いたくなったのは、よくあることだが違う本からの流れである。


昨年読んだコニー・ウィリスの「犬は勘定に入りません〜消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」による。
ウィリスのこれは、かなり面白い。過去既読の自分ベスト3には絶対いれる。


タイムトラベル物で、舞台は「ドゥームズディプック」と同一だけど、趣向は全然ちがう。あちらがかなり真面目なタイムトラベルなら、こちらは抱腹絶倒ユーモアたっぷりタイムトラベル。これが内容、ミステリ引用が多々にして、ウィムジィを痛切に思い出した故。(SF好きでミステリ好きで、犬好きだったら、読まないと損です)


中でも多かったのが、「毒を食らわば」の引用。
当初真っ先にこれを読みたかったのが本音だが、読みたいときに中々出会えないのも、世の然り。
読み進め四冊目にして、ネットのブックオフで他雑多な漫画類と一緒に嬉々として購入。
なにせ、この巻はピーター卿とハリエット・ヴェインの出会い編だから。
とはいえ、あくまで出会い編に過ぎず、甘くはないが、今まで初期作になかった恋愛の掛け合いが新鮮だなぁ。

毒を食らわば
ドロシー・L・セイヤーズ「毒を食らわば」創元推理文庫 600円 1995/11/17発行