PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

プライドと偏見 PRIDE & PREJUDISE

J・オースティン原作の「自負と偏見」がすごく好き。
読んだとき、かなり面白いと思ったし、こんな恋愛がしたいと思ったのもしかり。


映画が上映されていると知って、なんか友達と観に行くのも恥ずいと思い、ふらっとひとりで行こうと決めて、数週間。一昨日気づいたときには、昨日が最終公開日だった。


えーっと、どうしても観たい!!に抗えず、いつもは22時までざらに残業している会社を、18時半に同僚を振り切るように帰社してきて駆け込んだ駅前のちけぴで、恐る恐るチケはあるかと確認してみたら、なんと今日もあと5時間しかないというのに、今日で(ほぼ)公開が終わる映画のチケがある・・・(すごいよ)。うきうき即買い、劇場へ。


主人公エリザベスを演じるキーラ・ナイトレイはめちゃ美人。
金持ちで身分下の者など、ふんっと鼻であしらってしまいそうな高慢なダーシーが、その利発さや溌溂さに加え、エリザベスの美しさにまるごと心奪われるのも納得。とはいえ、BBCのTVドラマ版の「高慢と偏見」のDVD所有の私には、マシュー・マクファディンのダーシーはイマイチ。ま、見目はそんなに悪くないんだが、もさっとした雰囲気が愚鈍な感じを受け、コリン・ファースには及ばない気がした。(女役は皆、魅力的なのに、この男性陣の笑えるほど目を惹かれないのはなぜだ?!とは思ったけどね・・・。監督が男だから?)


サイモン・ウッズのビングリーもそう。回りの俳優陣に比べると小柄なせいか、人柄のよい感じは受けたものの、あまり魅力的には見えなかった。
ただ、終盤。どうしてもジェーンをあきらめきれずに、ネザーフィールドに戻って来たビングリーが、ダーシーと一緒にベネット家を訪問するシーン。一家全員にそっけなく応対されて、怖じ気づいて帰ってきてしまった彼が、湖畔でこうすれば良かったと再トライを決意するところ。金持ちでそれなりに自身もあるはずなのに、ダーシー相手にこんにちはと挨拶から練習して(更に真面目な顔したダーシーが受け答えして)いるのが、おかしくておかしくて可愛かった・・・。


美しい英国の風景描写が秀逸で、イギリスにもこんなところがあるんだと知った。ダービシャーに向かう途中で、エリザベスが(縄文杉とは違うだろうが)大きさがそれぐらいある樹をバックに林檎を齧るとことか、ピーク・ディスリクトとか、うわー壮大で美しいなぁと。


ベネット一家は小説通りよく描写できていた。お金持ちの男とみれば娘を結婚させようと大騒ぎをする母親。神経が弱い弱いといいながら、よくしゃべり、人のことも考えず自分の娘をどんな場でもひけらかす。邪心がないが、それが一層大迷惑という困り者。傍観しながらも、押さえるところはきっちりしている父親はドナルド・サザーランド。まったく眼中にない従兄弟の牧師に結婚を申し込まれて、母親からは結婚しないと絶縁すると言われたところ、父親は娘の心情もよくわかって、結婚したら自分が絶縁するからと言う。よっしゃ、良い父親だっとね。


全体的にくすくす笑ってしまうようなシーンが多くて面白い上、嫌い嫌い言っていたエリザベスが、やっぱりどうしてもダーシーが好きだとひとり悩んて眠れない夜を過ごすとか、恋愛ってこういうもんだよなぁと、心掴まれるいい映画だった。


高慢と偏見自負と偏見Pride And Prejudice