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-オシツオサレツ日々は過ぎる

ロベール・ルパージュ「アンデルセン・プロジェクト:The Andersen Project , A Modern Fairy Tale」


世田谷パブリックシアター14:00開演
ロベール・ルバージュ版「アンデルセン・プロジェクト」。
あっつい日ゆえ気合いを入れてスカートにサンダルという、いつもはしない格好をして観に行った。


インターネット予約の初チケでどこで引き換えていいんだか、とりあえず3階のシアター窓口にいったら、2階のクリックセンターで受け取ってくださいって、振り出しに戻ったり、3階席の左袖側の入り口はどこ?と彷徨ったり、なにげに挙動不審人物?
無事に到着したのに安心して、あとで後悔したのが、劇場入り口でなんかデザート配ってたの食べれば良かった・・・。
(あれはパンナコッタ?)


3階席の左手一番前席。
身長が低いせいか(誰でもこういう感じなのか)、どう見ても左袖の三分の一ぐらいの視界が、手摺を通して舞台を観るしかなくて、そこが残念だったけど、一番安いこの席でも十分楽しめた。
(終演後、スタンディングオベーションしようかと思ったほどだけど、ちょっと日本人的に恥ずかしかったので・・・。小市民。)


ロベール・ルパージュ!!
すごい。


海外芸術事情は無知で、どんなに高名で才能あふれる人か、まったく知らずに、
白井版を観るから本家も観ようと一緒にチケをえいっ、買ってしまえと
申し込んだだけだったけど(ルパージュさんごめんなさい)


いわゆる「映像の魔術師」


は伊達でも宣伝文句でもなく、身を以て体験してきたって感じ・・・。


(以下、ネタバレもあり)
とにかく、魅せ方がウマい、面白い。
背景として場面場面にいちめん白になっている半円舞台に画像を映し出すんだけど、
そもそもの舞台がね、半円になってる(はず)だけど、背景画像をそこへ映し出すと、
半円舞台舞台に立っているんじゃなくて、画像そのものの場所に立っているみたいに見えるんだよ。
(ああ、うまく表現できない)
階段の背景があれば、本当にその階段を上っているような演技ができるってこと。
(実際にパリ・オペラ座の階段を上るシーンがあって、「ふぉーっ、すげっ」と内心感心しきりだった・・・)



普通、舞台は影ができて、奥行きとか立体感みたいのが、観ているこっちでもわかるはずなんだけど、
どういう仕組みなのか(無知な私にはまったくわからん)、影ができないし、違和感まったくないけど、
本当にその舞台は不思議空間で・・・、すごいとしか言えません。


いちばん参りましたと思ったシーンは、アンデルセンの「影」という話を娘に読み聞かせるところ。
読んでいるシーンが、だんだん話そのものを表現していくんだけど。

数あるアンデルセン童話の中で、ルパージュが「影」を選んだことと、
ドラマでもない、映画でもない、演劇舞台という「生」の場での表現方法の無限性を追求するルパージュ天才!!と
ぞわっと高揚感覚えました・・・。
(あのルームランプひとつで、あんなに表現ができるなんて、只管眼福っす)


>>>時間がないので、また更新します。
これから「花よりもなほ」観に行くんだった。


やっと続き書こうかな。
※これを編集している今日は既に7/2だ。

そうそう、英語&フランス語劇だったので、舞台左右に字幕装置が。
なにかしらの翻訳がされるんだろうと思っていたんだけど、なぜか歌舞伎座のイヤホンガイドしか思いつかなかった私。

そして、語学能力のなさは自ら自覚するところだけど・・・、
最初、お客のうちに外国の方がいて(字幕を必死にこっちは読んでいて面白くもないところなんだけど)
突然笑いが起こったのにビックリした。(その後も何度もあったけど)


要は字幕はあくまでストーリーを説明するのが主で、笑いは演技者自身の技だってこと。
それは字幕に翻訳できないもので、ストーリーを理解できたらすべてわかったような気がしていたけど、
プラスアルファは何もわかってないも同然なんだなぁと、変に実感。
(じゃぁ、今まで映画を字幕で観ていたのも、きっと本当の面白さはわかってないのかも。
というか俳優が日本人だったら、細かなニュアンスとか仕草で確かに笑いとれるもんなぁと、
そのことに今更気づいたりして・・・)


アンデルセンという題名から、ルパージュも知らないし、結構カタい舞台なのかと思いきや、
下ネタ満載というか、よく言えば性を笑いにしていて(外国人の笑いが起こったのも主としてその辺のネタ)
テレビ文化(放送禁止用語がある)に慣れきっていた頭では、その満載さに「すげー」なと思いつつ、
よく演劇に下ネタがあるのも、他メディアでは抑圧が多いからかなぁと変に考えたり・・・。


ということで、いろいろ気づいたり考えたりと、ロベール・ルパージュは良かったっす。
白井晃版を来週末(最終日だ)観に行くのがとっても楽しみだなぁ。