PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

スーパー・エッシャー展@Bunkamura Museum

家じゃないところで、忘我したくて2年振りぐらいに美術館に足を運んだ。
Bunkamuraミュ−ジアムで開催されているM・C・エッシャー展。


エッシャーはすごいね。
ひとことで言えば、それに尽きる。
エッシャーといえば、イコール騙し絵としか発想が沸かないけど、それは集大成であってエッシャー作品の中の一部に過ぎないんだと。
「昼と夜」なり「空と水1」なり、連続するモチーフがいつしか逆転して違うものになっている情景を描き出したエッシャーの絵たち。あれって、木版画で描かれているって初めて知ったし、その緻密なこと。すばらしい。


騙し絵も興味深いけど、初期の版画で作られたイタリアの風景画がいい。
版画って、美術の時間でも苦手で自分が嫌いだったせいか、まったく知識がないけど、白黒刷りの2色しかない凸凹を彫ることによって、こんな多彩で豊かな表現ができるものだとは思いも寄らなかった。
イタリアの情景はどれもいいけど、「シチリア島修道院」の燦々と光が差し込む様子にほぅっとする。
そして、これって本当に版画なの?とどれも疑問視したくなるほど、作成の過程はきっと気が遠くなる程緻密なんだろうなぁと。

ローマの夜景シリーズが、とても好き。
横線やクロス彫りだけで、こんな表現ができてしまうんだって・・・、ものすごい上、
構図がいい。「マルセイユ」とかそのままでは只の風景描写のところ、鉄骨みたいな線があって、それがなんか情緒あるんだよなぁ。


後期の騙し絵たちの展示の各所で、カップルや家族たちが、「滝」とかの前で、指を指しながら、この流れがこう行ってこうなって、あれでもこっちに来ちゃうんだよ、わかる?といちいち解説して頷く姿が*1エッシャーらしいといえばらしい。


美術館でいままでラジオ型の音声ガイドを借りたことはあったけど、それがNINTENDO DSになっててビックリした。
しかも音声だけじゃなくて、順路とかどの絵のことなのか、わかりやすかったし、これはかなり良かった。


図録買ってしめしめと帰ってきたけど、グッズはもうちょっと充実しててもよかったんでは?と。
なんかその絵でグッズ作らなくてもいいじゃんと思ったり、あの絵の方がいいじゃんとか、
まぁ好みの問題か・・・・。


美術館出たところで、もう一つ罠が?
外にエッシャーガチャガチャが置いてあります。
200円だったので、子供に交じってトライしてみると。。。
「滝:部分*2」でした。

*1:一見、微笑ましい場面だが、順番待ちでいつまでも絵の前で解説垂れている方々には、指差す手で作品見えないし、イラっとすることしばし・・・

*2:なぜこれをフィギュア化するか疑問の、緻密な苔部分の秀作実態化・・・。アニメ画を連想する「深み」のキュートな魚か、”でんぐり・でんぐり”と呼ばれる空想生物がよかったなぁ