PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

Fabrica[10.0.1]@赤坂RED/THEATER

2週間前にe+を気まぐれに覗いていたら、観たくなってしかも空席があったんで、どんな末席でもいいやとチケを取った。

して当日、京浜東北線のダイヤ乱れに余波を食った山手線をえっちら、東京駅でメトロに乗り換える頃にはすでに開演20分前、しかも場所は行った事もない新劇場。さすがに焦って、乗り換えて改札の周辺地図を分析し、覚束ない方向感覚で赤坂伏見駅に付いたときには、あと7分で開演というリミット。


たぶんこの通りをまっすぐ行けばOKと道を定めた前方に地図とチケらしきものをを片手に彷徨う初老夫婦発見!(おお、これは仲間だ、方向は合ってる)と、喜々として尾行。なんとか4分前に自席に潜り込むことができた。しかも席I列だったんで、後ろの方かと期待は全くしてなかったら、映画館でいう指定席位置(劇場中段のど真ん中)だった。すっごいわ。チト、それだけで感動。


事前にブロクとかの感想を観た限りでは、あまり評価がなかったように思えて、でも取っちゃったし、観に行かねばという使命感だったんだけど、どうしてどうして。そんなことは全くなく、これは個人の想像力の領域によるものだけど、私は劇の後半、かなしくてシンクロして思い出すことがリアルにあって、幾度も泣きそうになった。*1


学生時代に自主制作映画に携わった者たちが、現在と過去が交互に進むストーリー。
現在(10年後)で再会し、また自主制作映画に出た者がいまどうなっているかをドキュメントで撮りたいと話がでる。10年振りの再会に、変わる人・変わらない人・夢をいつまでも追い続ける人・嘘をつく人。ああ、人間ひさびさに会うと、ついビッグマウスになっちゃったりとか、見栄はって言った嘘を取り返せなかったりとか、あるかもなぁと。結構年代的に劇中の彼等と被る部分が多くて、共感。


踊る大捜査線」の本広克行監督が演出だからなのか、演劇だというのに、これでもかというほど、出るわ出るわ映画用語。キューブリックにコッポラ、黒澤明スティーブ・ブシェミとかとか。映画→演劇に流れて来た人間なんで、私的には観ていて問題なかったけど、免疫ない人が観たら、わけわかんないだろうぁととっても思ったり。


劇中、ストーリーを明るく引っ張っていたのは、見慣れた阿佐ヶ谷スパーダースでおなじみのトミー(富岡晃一郎)だった。うーん、うまいわ。やっぱ。場を読んで、いい方向へ流してくれる雰囲気がよいし、笑わせてくれる。奈月役の野口かおるも、個人的大ヒット。がはははと、面白い〜。独特の訛りになんか癒されそうになった(笑)。


一本の映画を観たように、結構いい感動が味わえたと思う。


いっこだけ、気になったんだけど、今日の公演の科白で映画の「ビッグ」に出ていたトム・クルーズがと頭は変換して、トムはそんなん出てたっけ?と思ったんだけど、正しくはトム・ハンクスなんだよね?聞き間違いなのか・・・、そうでないのか、それだけしっくり来ない・・・。

*1:兄妹とか、母とか、介護とか、病院という場所は祖母が亡くなったときのことを思い出してかなしくなったし、終わりはヘタな歌だったけど、ゆえに余計涙が零れそうだった。ああ、なんか今日はすごい感傷的・・・。