PUSHMIPULLYU

-オシツオサレツ日々は過ぎる

ドロシー・L・セイヤーズ「五匹の赤い鰊」Dorothy L. Sayers "The Five Red Herrings(Suspicious Characters)"


この本を読んでいる時期に40℃の高熱を出し(且つてない・・・)寝込んだのだが、熱に魘されつつ浅い眠りの中、夢の中にピーター卿が出て来て、この事件を解決しようとするのだが、あれもこれも俺ではないと誰もが証言し出して、誰も犯人じゃない、やっぱり自殺だったのだ!!と、そこでは変な終結となった経緯が(ありえないっす)。


熱が下がり気味になった頃、それが本当かどうか、読めまねばと変な使命感にさそわれ、布団に包まり頁をめくった。


画家ばかりがいる田舎町に来ていたピーター卿、町いちばんの嫌われ者が絵を描いていた川の崖から落ちて、死んでいるのが見つかる。不慮の事故か、他殺か?嫌われ者ゆえに、容疑者がたくさん。地元警察が気にしない所を、ウィムジィだけがこだわり、それがあれよあれよと最終的に解決に繋がっていく過程が面白い。

事件を実証しようと、犯人がしらばっくれて隣接する家で、地元警察の重鎮を被害者役に、恍けながら犯人のふりをする最後がふふふとする。自転車移動の謎に、一生懸命漕ぐピーター卿に感心しつつ、使った技に思わず納得。


五匹の赤い鰊
ドロシー・L・セイヤーズ「五匹の赤い鰊」創元推理文庫 820円 1996/6/28発行